フランス文学と詩の世界 |
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思い出 Souvenir |
マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモールの詩「思い出」Souvenir(壺齋散人訳) ある夜 色青ざめて声を震わしながら あのひとが言いかけた言葉を飲み込んだときも 燃えるようなまなじりを吊り上げて あのひとの眼がわたしを鋭く見据えたときも 決して消えることのない炎に照らされた あのひとの苦しそうな表情が わたしの心の底にくっきりと刻まれたときにも あのひとはわたしを愛していなかった わたしはあのひとを愛していたのに マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモールは恋多き女性であったが、その恋は時には報われることのない切ないものでもあったようだ。だがそんな切ない恋でも、マルスリーヌにとっては生きていることを実感させてくれるかけがいのないものだった。 |
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Souvenir Par Marceline Desbordes Valmore Quand il palit un soir, et que sa voix tremblante S'eteignit tout a coup dans un mot commence ; Quand ses yeux, soulevant leur paupiere brulante, Me blesserent d'un mal dont je le crus blesse ; Quand ses traits plus touchants, eclaires d'une flamme Qui ne s'eteint jamais, S'imprimerent vivants dans le fond de mon ame ; Il n'aimait pas : j'aimais ! |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007
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