フランス文学と詩の世界 |
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わたしの部屋 Ma chambre :ヴァルモール |
マルスリーヌ・デボルド・ヴァルモールの詩「わたしの部屋」Ma chambre(壺齋散人訳) わたしの部屋は高いところにあって 窓が空に開いていて 青白い顔の お月様がお客様 下で誰か呼び鈴を鳴らしてるけど 今日はもういいわ あの人じゃないんだったら だれにも会いたくないんだから 他のひとから身を隠して ひとりで刺繍を編んでいるの 別に悲しいわけじゃないけど 心は涙でいっぱいなの 雲ひとつない青空を ここから眺めてるの 星を見つめることもあるわ 嵐だって見ているわ わたしに向き合って 椅子がひとつ誰かを待ってる あのひとのだったのよ 二人で腰掛けたものだわ リボンの飾りをつけたままで まだそこにある すっかりあきらめきったようにみえる まるでわたしみたいに! 自分を捨てた男を未練たっぷりに回想するところは、マルスリーヌのもっともマルスリーヌらしいところだ。ボードレールもヴェルレーヌも、そんなマルスリーヌに女の可愛らしさを感じたのだろう。 |
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Ma chambre Par Marceline Desbordes Valmore Ma demeure est haute, Donnant sur les cieux ; La lune en est l'hote, Pale et serieux : En bas que l'on sonne, Qu'importe aujourd'hui Ce n'est plus personne, Quand ce n'est plus lui ! Aux autres cachee, Je brode mes fleurs ; Sans etre fachee, Mon ame est en pleurs ; Le ciel bleu sans voiles , Je le vois d'ici ; Je vois les etoiles Mais l'orage aussi ! Vis-a-vis la mienne Une chaise attend : Elle fut la sienne, La notre un instant ; D'un ruban signee, Cette chaise est la, Toute resignee, Comme me voila ! |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2007
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